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「Dance New Air 」関連企画対談:黒田育世 × 中沢新一

2014/09/10

青山円形劇場とスパイラルホールを中心に開催されるダンスのフェスティバル「Dance New Air」の開催に連動し、青山ブックセンター本店にて、9月に新作振付作品『落ち合っている』を発表するダンサー・振付師の黒田育代さんと中沢所長による対談を行うことになりました。

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開催日時:2014年9月21日(日)18:00~19:30(開場・受付は、17:30〜)
開催場所:青山ブックセンター本店 大教室
参加費:1,944円(税込)
定員:110名

お申し込み、詳細はこちらをご覧下さい。

 

黒田さんと中沢所長とは、今回が初の顔合わせとなります。
どうぞみなさま、お誘い合わせのうえご参加ください!

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公開研究会:ホモ・エデンス 可食性の人類学 第3回「人と食を結び直す鍵」

2014/08/15

公開研究会:ホモ・エデンス 可食性の人類学(全3回)

第3回:人と食を結び直す鍵

野生の科学研究所公開研究会のお知らせです。

「可食性の人類学」、いよいよ最終回です。
みなさまのご来場をお待ちしております!

 

第3回: 人と食を結び直す鍵

世界の民族誌に学び、「食べ物のリアル」を取り戻すことは可能だろうか? たとえば現代人が食べる一食分の弁当には、世界的な食糧生産と流通市場が介在している。現代人は美食や健康食といった食の情報に飢えている反面、産地偽装や遺伝子組み換え作物の影響、放射能汚染や疫病など「食の安全性」に頭を悩ませてもいる。素材となった肉や野菜は「自然界の産物」であると同時に、人工的に手を加えられた記号的な「工業製品」でもある。このパラドックスを自覚的に克服する試みのなかから、生命と食の連鎖に基づく「食の対称性」次元を明るみに出す。

 

講師:石倉敏明
コメンテーター:奥野克巳氏(文化人類学者、桜美林大学)、中沢新一

日時:2014年9月6日(土)14:00~(13:20開場)
場所:明治大学 野生の科学研究所
資料代:500円
予約不要

終了後には、懇親会(会費制)も予定しております。

 

公開研究会:ホモ・エデンス 可食性の人類学

人は先行する「他の人」から生まれた「肉」である。しかし、社会には「人は食肉ではない」という根本的なタブーが存在し、近親相姦の禁止と共に、法や道徳の根幹をつくる。たくさんの違反例があるにもかかわらず、この掟はいまも人を律している。食べるとは、食べられるとはどういうことなのか。「食べるもの」としての人間は、「食べられるもの」や「食べられないもの」とのあいだに、どのような関係を築いてきたのか。肉でなくなった死者は、どこに還ってゆくのか。「食べる/食べられる人」をつくる性と食の交わり、母と胎児の関係、食物網と料理の様態、神話の構造などから、人と動物の根幹をつくる《食の次元》を考える。

 

第1回: 世界の始まりから隠されてきたこと(レポートはこちらです)

食肉や栽培植物の起源を説明する世界中の神話には、食べ物がもともと神話的な主人公の身体の一部であった、あるいは体内から排出された屎尿や垢であった、というエピソードが残されている。日本列島の伝承にも、女性の屍体や排泄物から食べ物がつくられた、という神話が少なくない。すべてが変容する物語の世界で、なぜ世界の始まりの時代にあったという「食べ物の起源」の秘密が語り継がれてきたのか。暴力と可食性を結ぶ観点から、食と排泄の根源にある存在論を掘り起こす。

 

第2回: 目には見えない食べ物

多くの「生き物」は食糧として殺され、祭儀や料理の過程で「食べ物」に変容する。それは火や水や煙によって、自然界の生き物として持っていた形や質を変えられ、「文化」という異次元に生命が晒される手順でもある。文化のなかに取り込まれ「目に見えない次元」に抑圧された自然=生命が、神話の中で語り出される仕方とは? 精神分析学が語らない未知の「コンプレックス」とは? カンニバル(食人)とインセスト(近親相姦)という二つのタブーの重なる場所で起こる生命過程の変容と、目に見えない次元から始まる新たな倫理学の可能性に迫る。

 

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石倉敏明(いしくら としあき)
人類学者/神話学者。秋田公立美術大学講師(アーツ&ルーツ専攻)。多摩美術大学芸術人類学研究所助手を経て、明治大学野生の科学研究所研究員、現職。共著・編著に『人と動物の人類学』『道具の足跡』『タイ・レイ・タイ・リオ紬記』等。

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書籍「バタイユとその友たち」(水声社)

2014/08/07

本研究所の研究員でもある岩野卓司さん(明治大学法学部教授)が翻訳、論考などを寄せている「バタイユとその友たち」(水声社)が刊行されました。どうぞ、ご一読ください!

反抗か、共謀か。ソレルス、サルトル、ブルトン、ブランショ、ヴァール…。同時代の思想家とバタイユとの知られざる関係を明らかにし、新たなバタイユ像に肉薄する。「至高者」ほか、本邦初訳のテクストも多数収録。

バタイユとその友たち

別冊水声通信 「バタイユとその友たち」
水声社 2014年7月 本体3,000円 A5判並製424頁 ISBN978-4-8010-0046-9

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ISHINOMAKI STAND UP WEEK 2014「シンポジウム 金華山からはじまる ―海と山の修験道―」

2014/07/17

ISHINOMAKI STAND UP WEEK 2014
「シンポジウム 金華山からはじまる ―海と山の修験道―」

一般社団法人 AP バンク主催、野生の科学研究所共催の金華山プロジェクトはじまります。
お楽しみに!

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  基調講演:中沢新一(野生の科学研究所所長)
  パネルディスカッション:日野篤志氏(華山黄金山神社の権禰宜)
              成瀬正憲氏(出羽三山山伏、野生の科学研究所研究員)
              中沢新一(野生の科学研究所所長)

  日時:7月31日(木)17:30〜19:00
  定員:100名
  無料、予約不要
  住所:かほくホール(石巻市千石町4-42 石巻河北ビル1階) MAP
  問い合せ: 0225-25-4953
       info@ishinomaki2.com
       担当 斉藤/河合 

 

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宮城県牡鹿半島の東南端に浮かぶ聖地、金華山。周囲26km・標高445mのこの島は、日本列島に培われた海の文化や山の文化が流れ込んでは堆積し、幾重にも折り重ねられてきました。土地の記憶に耳を傾け、多様な文化を散りばめて、金華山信仰をつくりだした担い手は修験者と呼ばれる人々でした。金華山の修験道と出会う—それは、牡鹿半島と金華山に横たわる精神文化の大切なものに触れること。それは、金華山の修験者たちがどのようにして自然と向き合い、生死を捉え、未来を紡いでいったかを探ることです。シンポジウム「金華山修験と出会う」は、思想家・宗教学者である中沢新一氏による基調講演とパネルディスカッションで構成され、後半のパネルディスカッションには中沢氏に加え金華山黄金山神社の権禰宜、日野篤志氏と出羽三山で山伏修行を行う成瀬正憲氏をお迎えします。3年前の東日本大震災による甚大な被害があった石巻で、金華山に眠る海と山の修験道を紐解いていきます。

※実施内容は変更が生じる可能性がございます。ご了承ください。

主催:一般社団法人 AP バンク(リンク先にて本企画以外のプロジェクトもご覧いただけます)
共催:金華山黄金山神社、明治大学野生の科学研究所

 

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一般社団法人 AP バンク
ap bankは、音楽プロデューサーの小林武史と、Mr.Childrenの櫻井和寿に、坂本龍一氏を加えた3名が拠出した資金をもとに、2003年に設立されました。市民やNPO団体、法人による、自然エネルギーへの取り組みや環境保全など、新しい未来作りのためのアイデアや活動、プロジェクトに対し、「融資」という方法で支援してきましたが、2011年3月に発生した東日本大震災を受けて、復興支援活動「ap bank Fund for Japan」をスタートしました。義援金と復興支援金の募集、被災地での炊き出し、復興支援ボランティアの派遣などを行い、現在も継続的に復興支援に取り組んでいます。
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公開研究会:ホモ・エデンス 可食性の人類学 第2回「目には見えない食べ物」

2014/06/25

公開研究会:ホモ・エデンス 可食性の人類学(全3回)

第2回:目には見えない食べ物

 野生の科学研究所公開研究会のお知らせです。
前回お越しいただけなかった方も、どうぞお気兼ねなくご来場ください!

人は先行する「他の人」から生まれた「肉」である。しかし、社会には「人は食肉ではない」という根本的なタブーが存在し、近親相姦の禁止と共に、法や道徳の根幹をつくる。たくさんの違反例があるにもかかわらず、この掟はいまも人を律している。食べるとは、食べられるとはどういうことなのか。「食べるもの」としての人間は、「食べられるもの」や「食べられないもの」とのあいだに、どのような関係を築いてきたのか。肉でなくなった死者は、どこに還ってゆくのか。「食べる/食べられる人」をつくる性と食の交わり、母と胎児の関係、食物網と料理の様態、神話の構造などから、人と動物の根幹をつくる《食の次元》を考える。

 

第2回: 目には見えない食べ物

多くの「生き物」は食糧として殺され、祭儀や料理の過程で「食べ物」に変容する。それは火や水や煙によって、自然界の生き物として持っていた形や質を変えられ、「文化」という異次元に生命が晒される手順でもある。文化のなかに取り込まれ「目に見えない次元」に抑圧された自然=生命が、神話の中で語り出される仕方とは? 精神分析学が語らない未知の「コンプレックス」とは? カンニバル(食人)とインセスト(近親相姦)という二つのタブーの重なる場所で起こる生命過程の変容と、目に見えない次元から始まる新たな倫理学の可能性に迫る。

 

講師:石倉敏明
コメンテーター:中沢新一

日時:2014年7月19日(土)14:00~(13:20開場)
場所:明治大学 野生の科学研究所
資料代:500円
予約不要

 

第1回: 世界の始まりから隠されてきたこと(レポートをアップしました!)

食肉や栽培植物の起源を説明する世界中の神話には、食べ物がもともと神話的な主人公の身体の一部であった、あるいは体内から排出された屎尿や垢であった、というエピソードが残されている。日本列島の伝承にも、女性の屍体や排泄物から食べ物がつくられた、という神話が少なくない。すべてが変容する物語の世界で、なぜ世界の始まりの時代にあったという「食べ物の起源」の秘密が語り継がれてきたのか。暴力と可食性を結ぶ観点から、食と排泄の根源にある存在論を掘り起こす。

 

第3回 人と食を結び直す鍵(第3回目は、9月を予定)

世界の民族誌に学び、「食べ物のリアル」を取り戻すことは可能だろうか? たとえば現代人が食べる一食分の弁当には、世界的な食糧生産と流通市場が介在している。現代人は美食や健康食といった食の情報に飢えている反面、産地偽装や遺伝子組み換え作物の影響、放射能汚染や疫病など「食の安全性」に頭を悩ませてもいる。素材となった肉や野菜は「自然界の産物」であると同時に、人工的に手を加えられた記号的な「工業製品」でもある。このパラドックスを自覚的に克服する試みのなかから、生命と食の連鎖に基づく「食の対称性」次元を明るみに出す。

 

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石倉敏明(いしくら としあき)
人類学者/神話学者。秋田公立美術大学講師(アーツ&ルーツ専攻)。多摩美術大学芸術人類学研究所助手を経て、明治大学野生の科学研究所研究員、現職。共著・編著に『人と動物の人類学』『道具の足跡』『タイ・レイ・タイ・リオ紬記』等。

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明治大学心理臨床センター開設10周年記念行事「子どもの声を聴く -子どもたちの今と心理療法—」

2014/06/10

明治大学心理臨床センター 開設10周年記念行事
「子どもの声を聴く -子どもたちの今と心理療法—」が開催されます。
中沢新一による記念講演、「天使の心、悪魔の心」もあります。

ご参加お待ちしております!

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心理臨床センター10周年記念行事
    子どもの声を聴く -子どもたちの今と心理療法—

心理臨床センターでは,開設10周年を迎えるにあたり,「人の心とは何であるのか,それを支えるとはどういうことか」を改めて問い直し,特に今後の活動に向け,現代の揺れ動く子どもたちの心とそのサポートに焦点を当てた記念行事を企画しました。ご参加をお持ちしています。

日時:2014年7月26日(土)13:30〜17:30
場所:明治大学駿河台キャンパス アカデミーコモン3F アカデミーホール
予約不要、入場無料

【プログラム】
13:30〜 「心理臨床センター10年の歩み」
     弘中正美(明治大学心理臨床センター 初代センター長)

14:00〜 特別講演「天使の心、悪魔の心」
     中沢新一(明治大学野生の科学研究所 所長)

15:15〜 シンポジウム「子どもたちの今と心理療法」
〈シンポジウムパネリスト〉
   岩宮恵子(島根大学)
   増沢高(子どもの虹情報研修センター)
   宮川香織(みずほ証券診療所/東京医科大学病院)
〈指定討論者〉
   弘中正美
   高良聖(明治大学)
〈司会〉
   諸富祥彦(明治大学)
 
 
お問合せ:明治大学心理臨床センター
TEL 03-3296-4169
FAX 03-3296-4165

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図書新聞(2014年6月14日、3162号)対談:中沢新一×岩野卓司

2014/06/09

図書新聞(2014年6月14日、3162号)対談:中沢新一×岩野卓司

6月7日発売の図書新聞(2014年6月14日、3162号)一面に中沢新一×岩野卓司の対談、「思想の「大地」へ ―― 「右」でも「左」でもないもの、何か徹底的に違うところから育ち始めているものが見てみたい」が掲載されました。

岩野卓司著『贈与の哲学』(明治大学出版会)をめぐって、明治大学出版会「野生の科学叢書」の刊行、カトリックの思想的展開から「贈与」まで、時間は不可逆性の中で「失われた時」を回復できるのかどうかをめぐる、意義深い対談です。

どうぞご覧ください!

 

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展覧会「いのち、ひたすら」

2014/06/03

展覧会「いのち、ひたすら」 ハンセン病絶対隔離がもたらしたこと

研究所の学内研究員、浜口稔先生の主催する展覧会です。
絶望の中でも輝き営まれる日常の手触り。どうぞお運びください!

「いのち、ひたすら」ポスター(修正)

写真が語るハンセン病療養所「沖縄愛楽園」の生活誌「らい予防法」と「無らい県運動」によって増長された偏見と差別。そして国策による絶対隔離の下明日を仰ぎ 闘う人々の豊かな精神性に彩られた人間の暮しがそこにはあった。

関連講演:ドリアン助川 ギャラリートーク 7月4日(金)13:00〜

期間:2014年6月13日(金)〜7月8日(火)
平日9:00〜19:00 土日9:00〜16:30 ※6月27日(金)13:00〜19:00
場所:明治大学生田キャンパス 生田図書館 Gallery ZERO
アクセス:〒214-8571 川崎市多摩区東三田1-1-1 044-934-7945

問合せ 事務局 笠間悠貴 tel:090-8523-0068/mail:qqu984e9k@piano.ocn.ne.jp
主催 浜口研究室/倉石研究室(明治大学理工学部・大学院理工学研究科新領域創造専攻)

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公開研究会:ホモ・エデンス 可食性の人類学(全3回)

2014/05/23

  公開研究会:ホモ・エデンス 可食性の人類学(全3回)

第1回:世界の始まりから隠されてきたこと

 野生の科学研究所公開研究会のお知らせです。ご参加お待ちしております!

エディブル

人は先行する「他の人」から生まれた「肉」である。しかし、社会には「人は食肉ではない」という根本的なタブーが存在し、近親相姦の禁止と共に、法や道徳の根幹をつくる。たくさんの違反例があるにもかかわらず、この掟はいまも人を律している。食べるとは、食べられるとはどういうことなのか。「食べるもの」としての人間は、「食べられるもの」や「食べられないもの」とのあいだに、どのような関係を築いてきたのか。肉でなくなった死者は、どこに還ってゆくのか。「食べる/食べられる人」をつくる性と食の交わり、母と胎児の関係、食物網と料理の様態、神話の構造などから、人と動物の根幹をつくる《食の次元》を考える。

 

第1回: 世界の始まりから隠されてきたこと

食肉や栽培植物の起源を説明する世界中の神話には、食べ物がもともと神話的な主人公の身体の一部であった、あるいは体内から排出された屎尿や垢であった、というエピソードが残されている。日本列島の伝承にも、女性の屍体や排泄物から食べ物がつくられた、という神話が少なくない。すべてが変容する物語の世界で、なぜ世界の始まりの時代にあったという「食べ物の起源」の秘密が語り継がれてきたのか。暴力と可食性を結ぶ観点から、食と排泄の根源にある存在論を掘り起こす。

 
講師:石倉敏明
コメンテーター:中沢新一

日時:2014年6月21日(土)14:00~(13:20開場)
場所:明治大学 野生の科学研究所
資料代:500円
予約不要

 

次回以降の予定は下記の通りです(第2回目は7月を予定)。

第2回: 目には見えない食べ物

多くの「生き物」は食糧として殺され、祭儀や料理の過程で「食べ物」に変容する。それは火や水や煙によって、自然界の生き物として持っていた形や質を変えられ、「文化」という異次元に生命が晒される手順でもある。文化のなかに取り込まれ「目に見えない次元」に抑圧された自然=生命が、神話の中で語り出される仕方とは? 精神分析学が語らない未知の「コンプレックス」とは? カンニバル(食人)とインセスト(近親相姦)という二つのタブーの重なる場所で起こる生命過程の変容と、目に見えない次元から始まる新たな倫理学の可能性に迫る。

 

第3回 人と食を結び直す鍵

世界の民族誌に学び、「食べ物のリアル」を取り戻すことは可能だろうか? たとえば現代人が食べる一食分の弁当には、世界的な食糧生産と流通市場が介在している。現代人は美食や健康食といった食の情報に飢えている反面、産地偽装や遺伝子組み換え作物の影響、放射能汚染や疫病など「食の安全性」に頭を悩ませてもいる。素材となった肉や野菜は「自然界の産物」であると同時に、人工的に手を加えられた記号的な「工業製品」でもある。このパラドックスを自覚的に克服する試みのなかから、生命と食の連鎖に基づく「食の対称性」次元を明るみに出す。

 

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石倉敏明(いしくら としあき)
人類学者/神話学者。秋田公立美術大学講師(アーツ&ルーツ専攻)。多摩美術大学芸術人類学研究所助手を経て、明治大学野生の科学研究所研究員、現職。共著・編著に『人と動物の人類学』『道具の足跡』『タイ・レイ・タイ・リオ紬記』等。

 

 

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書籍「ピープスの日記と新科学」浜口稔訳(高山宏セレクション)

2014/05/10

 

書籍「ピープスの日記と新科学」 シリーズ:高山宏セレクション〈異貌の人文学〉

研究所の研究員でもある浜口稔さん(明治大学理工学部教授)の訳書、「ピープスの日記と新科学」刊行です!

サミュエル・ピープスの『日記』を通して、王立協会の科学者たち、顕微鏡や輸血実験、双底船の発明、科学ブームへの諷刺など、17世紀英国〈新科学〉時代の諸相をいきいきと描く。

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Ⅰ アマチュア科学者、サミュエル・ピープス
Ⅱ はじめての輸血
Ⅲ 「狂女マッジ」と「才人たち」
付論 ピープス、サー・ウィリアム・ペティ、双底船

原注/訳者あとがき/索引
まさしく事実は小説より奇なり。スウィフトが冷笑したラガード学院のモデル、十七世紀英国王立協会による奇妙奇天烈なプロフェクトの数々、ヴァーチュオーソ(物数寄科学者)と称された趣味人達の頭の中から出てくるものに爆笑しながら、その後喪われたもの、あけられてしまった穴の大きさに、「3・11」後の我々は思い当たって粛然としないわけにはいかない。エピソード語りの名手による語りの面白さは、この本に観念史派史学の名著という以上の輝く魅惑を与えている。……高山宏

〈新科学〉時代の逸話を満載
17世紀英国の海軍官僚サミュエル・ピープスが、1660年から十年間にわたり克明につけた日記は、王政復古期の社会・文化・生活についての貴重な史料である。科学者が集う〈ロンドン王立協会〉の会員でもあったピープスは、科学にはずぶの素人ながら持ち前の好奇心であちこちに鼻をつっこみ、最新の科学技術について多くの報告を残している。折しも世は〈新科学〉時代、顕微鏡や望遠鏡、輸血実験、空気の重量測定、ウィリアム・ペティの双底船などの話題が世間を賑わせ、身分ある人々がボイルやフックの行なう実験見学に押しかけた。しかし、新科学に寄せられたのは称賛ばかりではない。〈ヴァーチュオーソ〉と呼ばれた好事家たちの科学への熱狂ぶりは、諷刺作家の恰好の標的となり、彼らを笑う劇や戯詩が数多く書かれた。
科学と文学の関係を探究するニコルソンが、ピープスの『日記』を通して17世紀英国〈新科学〉時代の諸相をいきいきと描いた名著。「まさしく事実は小説より奇なり。エピソード語りの名手による語りの面白さは、この本に観念史派史学の名著という以上の輝く魅惑を与えている」

高山宏氏

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