熊楠の星の時間(講談社選書メチエ)中沢新一
2016/04/25
『熊楠の星の時間』(講談社選書メチエ)
2016年5月11日発売予定
第26回南方熊楠賞受賞を記念して、中沢所長の新著『熊楠の星の時間』が講談社選書メチエより発売されます。
2014年に野生の科学研究所にて開催された、公開講座「南方熊楠の新次元」の講演「アクティビスト熊楠」「明恵と熊楠」(改題「熊楠の華厳」)も掲載されます。
どうぞお手にとってご覧下さい!
内容紹介
著者中沢新一氏は、長年にわたり南方熊楠についての考察を深め、多くの論考を発表してきました。1990年代に刊行された『森のバロック』(読売文学賞)、『南方熊楠コレクション』(全五巻)などが、その代表作です。また、「宗教学・人類学・民俗学を綜合して「対称性人類学」で新たな思想を展開しています。また独自のフィールドワークによる「アースダイバー」(『アースダイバー』、『大阪アースダイバー』、『週刊現代』連載中の「アースダイバー 神社編」)新しい知見と感性を切り開く可能性をもっています」(南方熊楠顕彰会の受賞理由を短縮しまとめた)。
2016年の第26回南方熊楠賞が授与されます。
21世紀に入ってから、著者はますます熊楠の重要性を認め、彼の思想の可能性を掘り起こし、発展させるために、2014年には「南方熊楠の新次元」と題する4回の講演・対談を主催しました(明治大学野生の科学研究所)。
本書は、その時の講演「アクティビスト熊楠」「明恵と熊楠」(改題「熊楠の華厳」)に加えて、熊楠の心の構造を探った「熊楠のシントム」、海のエコロジーを探究する「海辺の森のバロック」、本書の全体像を提示する「熊楠の星の時間」を収録した、新熊楠論です。
思想家・中沢新一が提示する、熊楠哲学の放つ強力な火花に驚愕し、目を開かれることになるでしょう。未来を切り開く一冊です。
書籍『共にあることの哲学 ―― フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉1 理論編』(書肆心水)
2016/04/12
本研究所の研究員でもある岩野卓司さん(明治大学法学部教授)が中心となって編集した書籍『共にあることの哲学 ―― フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉1 理論編』(書肆心水)が4月末に出版されます。どうぞ、お読み下さい!
内容紹介
今なぜ共同体論なのか? 共同体は今なお可能なのか?
格差と分断の危機に瀕する現代社会を現代思想から根本的に考える。
サルトル、バタイユ、レヴィナス、ブランショ、ナンシー、デリダ、フーコー、ドゥルーズの思想から問う共同体と共同性。
世界を覆う経済的な寡頭支配、老人と若者の世代間格差、保守化する左翼、揺らぐEU、文明の衝突論、難民問題と人権主義の限界……。二十一世紀の世界で人間が共にあることの意味と困難と可能性を、フランス現代思想ならではの根源的な視点から議論する。「現代思想は終ったのか」という問いへの回答。
共同体、そしてアイデンティティのことなど――サルトルとナンシーを出発点として (澤田直)
宗教を不可能にする宗教性、共同体を不可能にする共同性――バタイユによるアセファル共同体 (岩野卓司)
国家のような共同体に抗する共同性について――ブランショ、バタイユの思索から発して (湯浅博雄)
血の行方――レヴィナスと「共同体」「資本主義」の問い (合田正人)
忌避される共同体――デリダと主権の脱構築 (増田一夫)
「他者とともにあること」の歴史性――フーコーと共同体の問い (坂本尚志)
にぎわう孤独――ドゥルーズと共同体の問題 (藤田尚志)
岩野卓司編著『共にあることの哲学 ―― フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉1 理論編』
書肆心水 2016年4月 本体3300円(税別) A5判上製288頁
第26回南方熊楠賞受賞
2016/03/22
中沢所長が、第26回南方熊楠賞を受賞いたしました。
南方熊楠賞は、国内外を問わず翁の研究対象であった民俗学的分野、博物学的分野の研究に顕著な業績のあった研究者に贈られるものです。
今回の受賞理由は、
「宗教学を足掛かりとして、人類学や民俗学のフィールドにも歩みを進め、現在は対称性人類学と呼称される領域を提示しており、従来の学問の枠組みにとらわれない研究成果を実現している。特に、独自のアート感覚あふれるフィールドワークの手法を用いる「アースダイバー」は、注目すべき取り組みである。中沢氏は、『アースダイバー』(講談社、2005年)、『大阪アースダイバー』(講談社、2012年)を世に出しており、現在は『週刊現代』にて「アースダイバー 神社編」を連載中である。「神社編」では、諏訪大社の深層や対馬神道へと迫る考察を続けており、平成28年からは倭人系海人への言及が始まった。思想アートとでも評すべきこの取り組みは、現代人にとって新しい知見と感性を切り開く可能性をもっていると思われる。
中沢氏の独創性とトリックスター的な役割は、人文学のみならず、多くの分野に影響を与えた。中でも今回は「アースダイバー」に関する一連の研究が受賞の大きな要因となった。また、選考会においては、民俗学の本質についても的確に把握している姿勢を評価する意見も出た。」
(南方熊楠顕彰会HPより)
とのことでした。
授賞式の行われる5月には、南方熊楠についての単著も刊行予定です。
以前野生の科学研究所主催で開催した講演も、収録予定です。
どうぞ、お楽しみに!
『日本人の魂の古層』(明治大学出版会)
2016/03/18
野生の科学研究所に関わりの深い先生方が登壇した講座、2015年度明治大学リバティーアカデミー講座「日本人の魂の古層を探る」のなかから、いくつかの講座が一冊の本として今春刊行されます。
『日本人の魂の古層』金山秋男編著 居駒永幸、岩野卓司、中沢新一著
野生の科学研究所からは、中沢所長、金山秋男先生、岩野卓司先生の講座が収録されています。
どうぞお手にとってお読みください!
明治大学出版会「シアンス・ソバージュ・ド・ポッシュ:野生の科学叢書」第4弾
La science sauvage de poche 04
『日本人の魂の古層』
金山秋男編著 居駒永幸、岩野卓司、中沢新一著
B6判・仮フランス装・192ページ・本体2,600円+税
ISBN 978-4-906811-17-5
2016年3月刊行
内容紹介
柳田國男、折口信夫が生み出した民俗学は、いまどこへ行こうとしているのか。日本人の死生をめぐる諸観念(金山)、谷川南島論のもつ射程(居駒)、宮沢賢治と石原莞爾のユートピア観の差異(岩野)、心の古層に対するアプローチと21世紀の民俗学の可能性(中沢)などを論じ、さまざまな角度から日本人の心の奥底に眠っている〈他界〉の位相、〈異界〉の倫理を照射する意欲作。
目次
はじめに 金山秋男
第1章 金山秋男 常世の思想
第2章 居駒永幸 魂の還る処 民俗学者、谷川健一さんとの対話
第3章 岩野卓司 石原莞爾から宮沢賢治へ 古層をめぐって
第4章 中沢新一 古層の探りかた 聞き手=編集部
索引
編著者紹介
金山秋男(かねやま・あきお)
1948年、栃木県生まれ。明治大学法学部専任教授、明治大学死生学・基層文化研究所代表。東京大学大学院博士課程修了。著書に『歎異抄』(致知出版)、『「生と死」の図像学』(至文堂)、『巡礼——その世界』(風間書房)、『人はなぜ旅に出るのか』(風間書房)、『生と死の東西文化史』(方丈堂出版)、『古典にみる日本人の生と死』(笠間書院)。
居駒永幸(いこま・ながゆき)
明治大学経営学部専任教授。1951年、山形県生まれ。國學院大學大学院博士課程修了。著書に『古代の歌と叙事文芸史』(笠間書院)、『東北文芸のフォークロア』(みちのく書房)、『歌の原初へ 宮古島狩俣の神歌と神話』(おうふう)、共著に『古典にみる日本人の生と死 いのちへの旅』(笠間書院)、『日本書紀[歌]全注釈』(笠間書院)。
岩野卓司(いわの・たくじ)
明治大学法学部・明治大学大学院教養デザイン研究科教授。1959年、埼玉県生まれ。専門は思想史。パリ第四大学哲学科博士課程修了。著書に『ジョルジュ・バタイユ 神秘経験をめぐる思想の限界と新たな可能性』(水声社)、『贈与の哲学 ジャン=リュック・マリオンの思想』(明治大学出版会)。
中沢新一(なかざわ・しんいち)
明治大学研究・知財戦略機構特任教授、野生の科学研究所所長。1950年、山梨県生まれ。東京大学大学院 人文科学研究科 博士課程満期退学。著書に『チベットのモーツァルト』『森のバロック』『カイエ・ソヴァージュ』全5巻、『アースダイバー』『芸術人類学』『野生の科学』『日本文学の大地』など多数。
【JA共済総研公開研究会】縮小しながら発展する地域の創生~新たなコミュニティ創りを目指して~
2016/02/26
JA共済総合研究所にて、公開研究会「縮小しながら発展する地域の創生~新たなコミュニティ創りを目指して~ 」が開催されます。
研究所とも関係の深い方々の報告、中沢所長を交えたパネルディスカッションも行われます。どうぞご参加ください。
詳細、お申し込みはこちらをご覧ください。
縮小しながら発展する地域の創生
~新たなコミュニティ創りを目指して~
「地方創生元年」ともいわれる本年度。全国の自治体で移住・定住対策などの取組みが活発化しています。これからの人口減少・高齢化時代において、いかに「縮小しながら発展する」地域を創生するか。そのカギを探っていきます。
日時:2016年3月11日(金)13:00〜17:00(12:15開場)
場所:JA共済ビル カンファレンスホール
東京都千代田区平河町2-7-9 JA共済ビル1階
登壇者:広井 良典 氏 (千葉大学 法政経学部 教授)
西村 周三 氏 (年金シニアプラン総合研究機構 理事長
医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構 所長
国立社会保障・人口問題研究所 名誉所長)
中沢 新一 氏 (明治大学 特任教授
同大学 野生の科学研究所 所長)
川井 真 (JA共済総合研究所 主席研究員)
参加費:無料(事前の申込みが必要です)
定員:150名(定員に達し次第、受付を締め切ります)
公開研究会「「対称性」の扉を開く」第3回:「神話と感覚の人類学」
2015/12/24
公開研究会:「「対称性」の扉を開く」
第3回:神話と感覚の人類学
野生の科学研究所公開研究会のおしらせです。
皆様のご参加、お待ちしております。
◎ 研究会: 「対称性」の扉を開く
21世紀の始まりに出現した「対称性人類学」の試みは、
第3回:神話と感覚の人類学
講師:出口顯氏(島根大学法文学部教授)
「駆け引きの神話論理—傷つきやすい渡し守からブリコラージュ、アフォーダンスへ」
近藤宏氏(国立民族学博物館外来研究員、立命館大学非常勤講師)
「身体形態論としての神話――パナマ東部先住民エンベラにおける「動物的身体」――」
鼎談:神話に潜む対称性の知性
コメンテーター:中沢新一
コーディネーター:石倉敏明
日時:2016年1月24日(日)14:00〜17:30(13:30開場)予定
場所:明治大学グローバルホール(明治大学グローバルフロント1F)
資料代:500円
予約不要
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出口 顕(でぐち・あきら)
1957年生まれ、松江市出身。筑波大学比較文化学類卒業。東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程修了、同大学大学院博士課程退学。島根大学法文学部助手、助教授をへて、2000年より同大学同学部教授。博士(文学)。文化人類学専攻。著書に『名前のアルケオロジー』(紀伊國屋書店、1995)、『誕生のジェネオロジー――人工生殖と自然らしさ』(世界思想社、1999)、『臓器は「商品」か――移植される心』(講談社現代新書、講談社、2001)、『レヴィ=ストロース斜め読み』(青弓社、2003)、『神話論理の思想――レヴィ=ストロースとその双子たち』(みすず書房、2011)、『ほんとうの構造主義――言語・権力・主体』(NHKブックス、2013)、編著に『読解 レヴィ=ストロース』(青弓社、2011)ほか。
近藤 宏(こんどう・ひろし)
1982年、静岡県に生まれる。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了。博士(学術)。現在、国立民族学博物館外来研究員、立命館大学非常勤講師。専攻は、文化人類学・南米低地民族誌。主な訳書に、エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ『インディオの気まぐれな魂』(水声社、2015年)、共訳書に、エドゥアルド・コーン『森は考える——人間的なるものを超えた人類学』(亜紀書房、2016年)がある。
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公開研究会「「対称性」の扉を開く」第2回:「純粋贈与と子どもの心」
2015/11/18
公開研究会:「「対称性」の扉を開く」
第2回:純粋贈与と子どもの心
野生の科学研究所公開研究会のおしらせです。
皆様のご参加、お待ちしております。
◎ 研究会: 「対称性」の扉を開く
21世紀の始まりに出現した「対称性人類学」の試みは、
第2回:純粋贈与と子どもの心
講師:矢野智司氏(京都大学大学院教育学研究科教授)
対談:対称性という心の座標軸
コメンテーター:中沢新一
コーディネーター:石倉敏明
日時:2015年12月13日(日)15:00〜(14:30開場)予定
場所:明治大学野生の科学研究所
資料代:500円
予約不要
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矢野智司(やの・さとじ)
京都大学大学院教育学研究科教授。主な著書に、『動物絵本をめぐる冒険 動物-人間学のレッスン』(勁草書房、2002年)、『贈与と交換の教育学 漱石、賢治と純粋贈与のレッスン』(東京大学出版会、2008年)などがある。
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次回以降の予定は、下記のとおりです。(内容は変更になる可能性があります。)
第3回:神話と感覚の人類学(2016年1月開催予定)
講師:出口顕、近藤宏
対談:神話に潜む対称性の知性
第4回:「宗教後の宗教」と超越性の行方 (実施未定)
第18回日本サンゴ礁学会 公開シンポジウム「サンゴ <野生の科学>に出逢う」
2015/11/13
第18回日本サンゴ礁学会の一般公開シンポジウム「サンゴ <野生の科学>に出逢う」に、ゲストスピーカーとして登壇します。
第18回日本サンゴ礁学会
一般公開シンポジウム「サンゴ <野生の科学>に出逢う」
会場に展示される中村征夫さん (水中フォトグラファー)の作品には、色とりどりの魚たちと共に暮らす不思議な生き物、サンゴが息づいています。そんな豊かなサンゴの海を、身近なものとしてはぐくみ学ぶヒントが〈野生の科学〉にはあります。心と知をつなぐこの発想を、人類学者の中沢新一がやさしく解き明かします。それを踏まえて、パネリストがサンゴの海について新たな目で捉えなおし、語り紡ぐことに挑みます。はたして、その物語は皆さまの心に響くでしょうか。
ゲストスピーカー:中沢新一氏(明治大学)
ゲストフォトグラファー:中村征夫氏(Squall)
パネリスト:茅根創(東京大),鈴木款(静岡大),柳谷牧子(環境省)
司会:山口徹(慶應大),深山直子(東経大)
【日 時】2015年11月29日(日曜日) 13時30分~16時30分
【会 場】慶應義塾大学三田キャンパス(南校舎5Fホール)
入場無料&予約不要
詳しくは、こちらをご覧下さい。
書籍『ジョルジュ・バタイユの反建築』(水声社)
2015/11/05
本研究所の研究員でもある岩野卓司さん(明治大学法学部教授)が中心となって翻訳した『ジョルジュ・バタイユの反建築』(水声社)が刊行されました。どうぞ、ご一読ください!
内容紹介
バタイユの第一作「ランスのノートル=ダム大聖堂」。建築をめぐるこのテクストを永遠に抹殺し続ける事、それこそがバタイユにとっての「書く」という事だった…。ベルナール・チュミなど「脱構築主義」の建築家たちにも絶大な影響を与えた、反建築論。バタイユ研究の必携書。
目次
ヘーゲル的構築物
建築の隠喩
迷宮、ピラミッドそして迷宮
帝王切開
「人生の日曜日」
註
訳者あとがき
ドゥニ・オリエ著、岩野卓司他訳『ジョルジュ・バタイユの反建築』
水声社 2015年9月 本体4800円(税別) A5判上製378頁
ISBN:978−4−8010−0126−8 C0098
公開研究会:「「対称性」の扉を開く」(全4回予定)
2015/09/17 - Tag: 研究会
公開研究会:「「対称性」の扉を開く」(全4回予定)
第1回:“Part of the Animal” としての人間
野生の科学研究所公開研究会のおしらせです。
皆様のご参加、お待ちしております。
◎ 研究会: 「対称性」の扉を開く
21世紀の始まりに出現した「対称性人類学」の試みは、
第1回:“Part of the Animal” としての人間
講師:山口未花子氏(岐阜大学地域科学部助教)
対談:動物たちの教える知恵
コメンテーター:中沢新一
コーディネーター:石倉敏明
日時:2015年10月11日(日)15:00〜(14:20開場)予定
場所:明治大学野生の科学研究所
資料代:500円
予約不要
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山口未花子(やまぐち・みかこ)
岐阜大学地域科学部助教。動物に対する深い関心から、人と動物との関係について明らかにするため、動物生態学や生体人類学、文化人類学の方法を学ぶ。2005年より、カナダ・ユーコン準州の先住民カスカの古老より動物に関する様々な実践を学んでいる。著書に、『ヘラジカの贈り物: 北方狩猟民カスカと動物の自然誌』がある。
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次回以降の予定は、下記のとおりです。(内容は変更になる可能性があります。)
第2回:純粋贈与と子供の心(2015年12月開催予定)
講師:矢野智司
対談:対称性という心の座標軸
第3回:神話と感覚の人類学
第4回:「宗教後の宗教」と超越性の行方