NAKAZAWA Archive

_ 2012年

NEWS NAKAZAWA

『大阪アースダイバー』発売!!

2012/10/10

大阪こそが「真性(ほんまもん)」の都市であるーーーー

南方と半島からの「海民」が先住民と出会い、砂州の上に融通無碍な商いの都は誕生・発展する。
上町台地 = 南北(アポロン)軸と住吉ー四天王寺ー生駒 = 東西(デュオニソス)軸が交差する台地の一大叙事詩。

『大阪アースダイバー』ついに発売です。

プロローグ
大阪アースダイビングマップ

第一部 プロト大阪
【大阪を読み解く鍵を求めて】
「くらげなす」土砂層の上に/大阪の見えない座標軸/二つの軸/南北に走るアポロン軸/東西に走るディオニュソス軸/河内カオスモス/西の王家の谷――百舌鳥古墳群/大阪文化の野生のルーツ/複素数都市
【太陽と墳墓】
ディオニュソス軸線の発見者は誰か/「スミヨシ」系の海民/渡来民たちの波/日の御子の誕生/大阪の大地の歌/太陽の子の死と再生
【四天王寺物語】
軍事と呪術の物部氏/玉造の怪/比類なく高い仏塔/キツツキと鷹の戦い/大阪スピリットの古層/聖徳太子と俊徳丸

第二部 ナニワの生成
【砂州に育つ資本主義】
商人と無縁の原理/水底から出現した島々/八十島のナニワ/ナルニワ国の物語/アジールとしての砂州/淀川河口はクグツのすみか/はじまりの商人/商品は無縁から生まれた/豊かな無縁社会/無縁社会を超える
【超縁社会】
ナニワのミトコンドリア戦略/負けるが勝ちや/有縁、無縁、超縁/トーテム紋章としての暖簾/座という秘密結社/お金と信用/信用とプロテスタント/信仰としての信用
【船場人間学】
船場の性と愛/野生のぼんち/番頭はんと丁稚どん/暗黙知はからだに叩き込む/幸之助と船場道場/甦れ、ナニワ資本主義

第三部 ミナミ浮上
【日、没するところ】
西方の意味/広大なネクロポリス/封印された笑いの芸能/聖なる墓守/埋葬儀礼のまわり/聖から芸人へ
【千日前法善寺の神】
処刑場から見世物へ/聖なるミナミ/地上からちょっとだけ離れて/自転車とパノラマ館/萬歳から漫才へ/民主的な南方からの神々/エビスの記憶/不条理の萬歳/シャーマン・吉本せいの選択/来るべき漫才
【すばらしい新世界】
モダニズムの夢/新世界の精神分析/湿った通天閣/タイシとビリケン/ミナミの胎蔵界曼荼羅/荒陵に咲く花
【ディープな大阪】
最後の庇護の場所/見えない空間/「あいりん地区」の形成史/鳶田から釜ヶ崎へ/世界と運命の転換点/エリアクリアランス/人類型都市構造/ミナミの栄誉/ジャンジャン横丁のデュシャンたち/アンフラマンスなミナミ

間奏曲

第四部 アースダイバー問題集
【土と墓場とラブホテル】
崖地と粘土/あわいの人形/マテリアリストにしてアニミスト/恋のマテリアリズム/ホテルはリバーサイド/自由恋愛のメッカ/ラブホテルとディズニーランドの深層/ラブホと野生の思考
【カマドと市場】
敵が味方に変わるところ/転換の門/海に直結した魚市場/市場とスーパー
【大阪の地主神】
生玉神社と坐摩神社/イカスリの神/ツゲ一族の娘たち/渡辺一族の登場/水軍武士団へ/南渡辺村と北渡辺村/区別と階層差/さまよえる北渡辺村/くり返される強制移住/太鼓の村/解放運動/「同和」の未来
【女神の原像】
「太陽の妻」/太陽と性/不思議な神話の記憶/コリア世界との距離
【コリア世界の古層と中層】
生野区と平野区を掘る/猪飼野の謎/加耶の人々の日本への移住/ものづくり大阪の土台/帝国主義の時代/壁とその解体

Appendix 河内・堺・岸和田ー大阪の外縁
【河内】
先住民の夏至祭/死霊を渦の中に巻き込んで/古層の息づかい
【北河内】
宇宙船イワフネ号/河内の野生の根拠地
【堺と平野】
環濠都市の精神は生きている/ガラパゴス都市/堺と平野ー偉大なる例外者/都市のたたかい
【捕鯨とだんじりー岸和田】
海民の夢の時間/だんじりの運動学/だんじり=捕鯨

エピローグにかえて

NEWS REPORT NAKAZAWA

港千尋×中沢新一対談 「ホモサピエンスの起源と未来を探る」

2012/09/21

9月17日、青山ブックセンター本店にて、港千尋翻訳『洞窟のなかの心』、中沢新一著『野生の科学』の刊行記念イベントが行われました!

約1年半ぶりの再会となった港さんと中沢所長。

ふたりの共同作業は十年ほど前、人間の科学を作り替えようと、雑誌「どるめん」の復活を試みた所まで遡ります。まずは、富士見や尖石など、かつてふたりでまわった縄文フィールドワークの思い出語り…と思いきや、「中沢さんに着いていったら遭難しかけて大変だった」と港さんが大暴露。「平坦な道からじゃ見られない景色だったでしょ?」と中沢所長が切り返し、会場はなごやかな笑い声に包まれました。

ふたりを繋ぐ共通意識のきっかけになったものは、フランス・ドルドーニュ県の旧石器遺跡探索だったそうです。港さんはフランス考古学の流れから、中沢所長はチベット仏教の先生の招待で訪れたという違いはあれど、ここからふたりの関心はぐんと洞窟に接近していきます。洞窟壁画の持つプリミティヴな普遍性に着目し、南アフリカ・サン族の描く岩絵やアマゾン先住民の彩色文様、60年代のサイケデリックアート、チベットの死者の書にまで共通点を見いだしていきます。

洞窟トークは更に続きます。

『洞窟のなかの心』によれば、壁画は外界のスケッチではなく、脳の中のプロセス(過程)が外在化して岩の上に浮上したもの。そのため壁画には具象的な動物絵、抽象的な模様のほか、人間が動物に変容する図像が洞窟の奥でたびたび見られます。人間の心の深い層には、意識の変容によって人間が動物に生成変化してゆく領域があるそうで、洞窟と人間の心の対応関係が伺えますね。

『野生の科学』で「喩」と呼んでいる、二つの意味領域を重ねる心の構造も、人間の認識の根源的な過程であり、まさに洞窟壁画を描いた人達の中で起こっていたと考えられます。

洞窟内での倍音の発見や楽器の遺物、オルフェウス教の話が続き、芸術・音楽・宗教・哲学など人間の学問全般の始まりの場所として洞窟の姿が甦ってきました。西洋哲学に見過ごされてきた人間の意識の過程である「アフリカ的段階」は、後の様々な文明を作り上げる大変重要な基盤だったのです。

港さんは「動物が人間に何を教えてきたのか」、中沢所長は「音楽や言語や数の発生地帯としての洞窟」に着目していると語り、更なる研究の可能性を示唆して、対談を終えました。

港千尋さん翻訳の『洞窟のなかの心』、中沢新一所長著『野生の科学』。

二冊はシリーズ本であり、良く似た装丁デザインが特徴です。『洞窟〜』の表紙はフランスのペシュメルル洞窟、『野生〜』は人間の心の中の洞窟というべき、マティスの《赤いアトリエ》です。

人間と動物、植物と家具が互いに変容していく領域が描かれていますね。

考古学・民族学・民俗学・芸術・哲学を柔軟に結ぶ「野生の科学叢書(仮)」、第三冊目が待ち望まれます!

写真提供:ブラスメディア須藤夕香氏、野生の科学研究所

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中沢新一 書籍「野生の科学」(講談社)

2012/07/30

2012年8月1日発売予定

研究所の名を冠した、中沢新一の新刊が発売されます。ここ5年の論文を新たに推敲し、書き下ろしも含めた著作。装丁も文章も、野生的で美しい、渾身の一冊です。ぜひ手にとってみてください。

内容は以下の通りです。

 Ⅰ 野を開く環

第1章 数学と農業
第2章 「不思議な環」を組み込んだ人間科学
第3章 頭上のコン
第4章 経済学とトポロジー
第5章 トポサイコロジー

 Ⅱ 知のフォーヴ

第6章 民藝を初期化する
第7章 二つの深沢七郎論(デリケートな分類/奇跡の文学)
第8章 闘うアニミズム
第9章 クラと螺旋 —新しい贈与経済のために
第10章 アール・ブリュットの戦争と平和
第11章 変容の岬
第12章 ユングと曼荼羅

 Ⅲ 空間の野生化

第13章 稲荷山アースダイバー
第14章 甲州アースダイバー
第15章 熱海アースダイバー
第16章 塔をめぐる二つのエッセイ(バベルの塔 ーコミュニケーションの神話/バベルの塔からストゥーパへ)
第17章 Y字の秘法
第18章 野生の地図学

 付録

「自然史過程」について
真の豊かさのための「モジュール・ケネー」

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明治大学リバティアカデミー講座”日本の再生”

2012/06/25

明治大学リバティアカデミーにおいて、野生の科学研究所の企画・構成による、講座、”日本の再生―経済大国から文化大国へ―”が開講されています。日本列島に暮らしてきた先人たちの宇宙観・死生観・倫理観を巡る全12回の講座です。
※講座の申込は全日程終了しております。あらかじめご了承ください。

講座内容や講師プロフィールは以下のページをご参照ください。
https://academy.meiji.jp/course/detail/521/

●講座趣旨
今、日本は20年に及ぶ経済不況、10年連続自殺者3万人以上、都市圏における30%を超す直葬(葬儀なしの火葬)、益々増えつつある孤独死、など深刻な問題が山積みし、そして今3.11、TPP問題とも相俟って国民生活の根幹をなすエネルギーや食糧も喫緊の課題です。精神的にも、物質的にも、私たちは益々容易ならぬ状況に直面することになるでしょう。
しかし、このような逆境においてこそ、古来先人たちが培ってきた智慧を再生させつつ、国力を維持し、かつそれをもって世界を先導する道が探られねばなりません。日本がこれから成熟するとしたら、もはや経済大国への復帰を目指すのではなく、文化大国への道を歩まねばならないでしょう。
この講座は、古来の知の集積と現代の知の展開を結び、そこに新たな日本人の宇宙観、死生観、倫理観を模索する試みです。

●講座概要
第1回<終了> 2012/05/08 日本人とは何か 金山 秋男(明治大学法学部教授)
第2回<終了> 2012/05/22 宗教の力と文学の力 金山 秋男
第3回<終了> 2012/06/05 旅と日本文化 金山 秋男
第4回<終了> 2012/06/19 山岳信仰に学ぶ先人たちの智慧 星野 文紘(山伏) 金山 秋男
第5回 2012/07/03 地域から世界へ―地域の伝統文化からの発想― 菅野 敦司 (公益財団法人鼓童文化財団専務理事)金山 秋男
第6回 2012/07/17 相馬真宗移民にみる日本的絆社会の一典型 太田浩史(真宗大谷派高岡教区大福寺住職・日本民藝協会常任理事・となみ民藝協会会長) 金山 秋男
第7回 2012/10/02 日本人の人間力と文化力 金山 秋男
第8回 2012/10/16 死生学事始 金山 秋男
第9回 2012/10/30 日本列島の基層文化から 姫田 忠義 (民族文化映像研究所所長) 金山 秋男
第10回 2012/11/13 日本文化と安全保障 山崎 信之郎(三菱電機電子システム事業本部顧問)  金山 秋男
第11回 2012/11/27 超高齢化社会の生き方・死に方 辻 哲夫 (東京大学高齢社会総合研究機構教授) 金山 秋男
第12回 2012/12/11 死を組み込んだ人間の学 中沢新一(明治大学野生の科学研究所所長) 金山 秋男

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博多での公開イベント:内田樹×中沢新一×森田真生

2012/01/19

博多での公開鼎談です。
内田先生と中沢所長、在野の数学研究者にして福岡県糸島で数学道場「懐庵」を主催する俊英、森田真生さんのお三方。

鼎談:内田樹×中沢新一×森田真生
『存在の彼方へ〜対話する哲学、宗教、そして数学の世界〜』

・開催日:3月20日(火)
・時 間:15:00〜21:00(予定)
・会 費:15,000円
※会費には、懇親会のお食事・ドリンク代を含みます。
・主催者Webサイト:http://saintcross.jp/blog/?p=1272
・お申し込み・お問合わせ:http://saintcross.jp/sformmail.php

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直島での講演:アートの”家”

2012/01/16

春の瀬戸内海直島にて、中沢所長の講演です。
“家”のもつ記憶についての講演になります。

ベネッセアートサイト直島 本村トーク
「アートの“家”」

・講師:中沢新一(人類学者/明治大学野生の科学研究所所長)
・日程:2012年4月14日(土)
・時間:16:00-18:00
・場所:本村ラウンジ&アーカイブ(直島)
・定員:50名
・料金:一般1,000円 島民500円
・申し込み:2月14日よりwebサイトにて
http://www.benesse-artsite.jp/about/sp_event.html

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カタログハウスの学校:「日本の大転換」を実現するために、いま必要なこと”

2012/01/16

通販生活を発行しているカタログハウスさんの学校で、中沢所長の講演がございます。

カタログハウスの学校
「日本の大転換」を実現するために、いま必要なこと。

講師:中沢新一
・日時:2012年3月3日(土) 14:00~15:30
・定員:150名(先着順)
・参加費:1000円(学割半額・ペア割引2名で1500円あり)
・場所:カタログハウス本社校セミナーホール(JR新宿駅南口から徒歩8分ほど)
・東京都渋谷区代々木2-12-2 カタログハウス本社ビル地下2階
・お申し込み:http://www.cataloghouse.co.jp/study/schedule/T20120303001/
・お問合せ:

TEL:0120-545-450
FAX:03-5365-2278

MAIL: school@cataloghouse.co.jp
※インターネット、メールでのお問い合わせは開催日前日17時までにお願いします。

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京都環境文化学術フォーラムにおける中沢所長講演「たたかうアニミズム」

2012/01/16

京都での中沢所長講演のお知らせです。

定員100名となっていますのでお申し込みはお早めに!

京都環境文化学術フォーラムスペシャルセッション
「グローバル・コモンズをめざして~東日本大震災から考える未来への道~」

URL:http://earth-kyoto.jp/forum.html

基調講演:たたかうアニミズム 中沢新一
日時:2012年2月11日(土) 13:00〜17:00 Room -B2(定員100名)

<基調講演>
中沢 新一 明治大学野生の科学研究所所長
「たたかうアニミズム」 (40分 13:45〜2:15)

<ディスカッション>
パネリスト
・中沢新一氏(明治大学野生の科学研究所所長)
・牧紀男氏 (京都大学防災研究所准教授)
・結城幸司氏 (アイヌ民族運動家)
・小松和彦氏(国際日本文化研究センター教授)

<参加申込に関するお問い合わせ>(月〜金曜日 10:00〜18:00)
KYOTO 地球環境の殿堂/ 京都環境文化学術フォーラム 参加受付事務局
㈱インターグループ内 TEL: 06-6372‐3051(代) FAX: 06-6376-2362  E-mail: earth-kyoto2012@intergroup.co.jp

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『石子順造的世界』関連トークイベント

2012/01/12

府中市美術館で『石子順造的世界-美術発・マンガ経由・キッチュ行』が開催されています。
関連イベントとして中沢新一所長と美術批評家椹木野衣さんの対談が行われます。

『石子順造的世界-美術発・マンガ経由・キッチュ行』
トークイベント「アートの消えるところ」

・日時:1月21日(土曜日) 14時〜
・出演: 中沢新一(人類学者)、椹木野衣(美術批評家)
・場所:府中市美術館 講座室
・料金:無料、予約不要

“美術評論を主軸としながら「表現」と呼ばれる領域を生活者のレベルから具体的に捉えようと試み、いわゆる「美術」を超えてマンガや演劇、芸能、果ては誰も気にとめない「ガラクタ」の類(たぐ)いにまで論の対象を広げた評論家、石子順造(いしこじゅんぞう)(1928年〜1977年)。美術館としては例外的にひとりの評論家を取り上げ、きわめて多岐にわたるその視点を紹介するとともに、石子(いしこ)の眼を通じて1960年代から1970年代にかけての、ひいては日本の文化を眺め、見直します。”(府中市美術館HPより)

『石子順造的世界-美術発・マンガ経由・キッチュ行』
会期:2011年12月10日(土)―2月26日(日)
場所:府中市美術館
休館日:月曜日(1月9日は開館)、12月29日から1月3日まで、1月10日
開館時間:午前10時―午後5時(入場は午後4時半まで)
住所:〒183-0001 東京都府中市浅間町1丁目3番地(都立府中の森公園内)
電話:042-336-3371(代表)
府中市美術館へのアクセスはこちら
観覧料:一般700円(560円)、高校生・大学生350円(280円)、小学生・中学生150円(120円)

 その他関連トークイベントがいくつか開催されています。
詳しくは府中市美術館のWebSiteをご覧下さい。

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『〈民藝〉のレッスンーつたなさの技法』に、中沢所長の対談収録

2012/01/12

総合地球環境学研究所 (地球研) 特任准教授の鞍田崇さん編による、新しい民芸に関する書籍の中で、中沢所長と鞍田さんの対談が収録されています。

書名:『〈民藝〉のレッスンーつたなさの技法』
編者:鞍田崇+編集部
価格:本体1700円+税
発売日;2012年1月25日
発行:フィルムアート社
ISBN978-4-8459-1183-7

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