映像人類学セミナー”Anthro-Film Laboratory”
2012/07/08
映像人類学の俊英たちによるセミナー”Anthro-Film Laboratory”が大阪で開催されます。
野生の科学研究所研究員の石倉敏明もファシリテーターとして参加します。
ぜひご参加ください。
【開催概要】
Anthro-Film Laboratory
作品のブラッシュアップセミナー
Work-in-progress Film Screening & Discussion
【場所と日時】
2012年7月19日(木)19:00 – 22:00
会場:天劇キネマトロン(大阪市北区中崎西1-1-18)
http://amanto.jp/tengeki/access.htm
人類学研究者がとりくむ映画、サウンドアート、プロモーション・ビデオ等を対象に、制作過程にある作品のブラッシュアップを目的とするセミナーを開催します。作品の制作目的や公開の方法はそれぞれ異なりますが、各作品の構成と編集について、みなで建設的に意見を交換しあう楽しい会にいたしましょう。
【発表作品と発表者】
- 『無題』
柳沢英輔(国立民族学博物館)
2012年、7分
撮影地:大阪、万博記念公園
内容:日常の微細な音とその記録(フィールドレコーディング)に
焦点を当てる。iPhoneで撮った未編集のスケッチ的映像。 - 『How I See』
矢野原佑史(京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科)
2009年、4分24秒
撮影地:カメルーン、ヤウンデ
内容:カメルーンの首都ヤウンデで、ヒップホップ・カルチャーを実践する者たちと共同制作したプロモーション・ビデオ。調査者も「ラッパー」として参加することで、調査対象者が創造する世界の考察を試みた実験的作品。 - 『送霊儀礼ソンコーカオの哭きうた①』
伊藤悟(国立民族学博物館)
2007年、30分前後
撮影地:中国雲南省
内容:徳宏タイ族は葬儀の数日後、シャマンを招き、死者の魂を霊界に送りだす。儀礼はシャマンのうたによって死者の道行きが歌われる。特徴はシャマンによる様々な精霊のやりとりをうたう一人多役の声の演劇的パフォーマンスである。 - 『お墓がいらない人たち―変貌する日本の葬送儀礼』
金セッピョル(総合研究大学院大学)
2008年、17分
撮影地:日本/東京、神奈川、山梨一帯
内容:現代の新しい葬送形態である自然葬を紹介した映像。自然葬の順序と儀礼行動、個別の実施者たちの自然葬にいたった理由、実施にあたっての心境などを収めた。 - 『再会の旅』
金セッピョル(総合研究大学院大学)
2012年、15分
撮影地:日本/東京一帯
内容:墓という、故人を思い出す可視的な装置をもたない自然葬は、どのような理由で、どのような感情をもって行われているのであろうか。また、自然葬実施者たちはどのように故人に別れを告げ、けじめをつけているのであろうか。本作品は、故人との思い出がある所々に少しずつ遺灰を撒いていく旅を映像に収め、このような問いを探求するものである。 - 『アナ・ボトル―西ティモールの町と村で生きる』
森田良成(摂南大学外国語学部)
2012年、43分
撮影地:インドネシア、西ティモール
内容:西ティモールにある町クパンには、「アナ・ボトル」(空き瓶の子)と呼ばれる男たちがいる。彼らは荷車を押して町を一日歩いて、空き瓶や鉄くず、ダンボールなどの廃品を集め、それらを換金してお金を得ている。町での重労働によって得たお金を、彼らは何に使っているのか?彼らのお金の稼ぎ方・使い方から、物やお金の価値、「貧しさ」について考える。
【ファシリテーター】
石倉敏明(明治大学野生の科学研究所)
川瀬慈(国立民族学博物館)
【定員】
15名
参加希望者は、下記メールアドレス(伊藤悟)までご連絡ください。
satoru_music@yahoo.co.jp